2019年1月22日火曜日

中等教育の危機

数日前? 東京の西郊の某都立高校の教師が生徒に暴力を振るったとして処分された ( されかけている?) との新聞報道があり、テレビ番組で教師が生徒を文字通り殴るスマホの場面が放映された。

ところが昨21日朝の日本テレビでそれ以前の1分15秒の動画が紹介され、驚き呆れた。その1分15秒間、その生徒は教師に暴言を連ねて挑発していた。そもそも動画は、怒った生活指導係の体育教師が暴力を振るうことを予想して仲間がスマホ撮りしていたのであり、ツィッター上で炎上させようとの発言も聞き取れた。

ところが今日の朝刊各紙はこの放映への論評もなければ独自の追加報道もなく、全くの黙殺だった。しかし、今日22日の昼のテレビ番組 ( フジとTBS )でこの不良グループの悪辣さが取り上げられたので、間もなく週刊誌が一斉に取り上げるだろうが、新聞の沈黙は何ゆえだったのか。

新聞以上に情けなかったのは当の高校長であり、今日のテレビによれば生徒の側に非は無かったと記者会見で語ったという。この不良グループの存在を全く知らなかったとは思えないが、少なくとも当の教員から事情聴取したはず。事なかれ主義もここまで来たかと思わざるを得ない。逆に職を賭しても罠に落ちた部下を守るのが上司の務めだろう。

最近、小中高教員の採用試験の倍率が低下しており将来が心配ととのことだが (『朝日』1月21日)、今回のような事件対応が一般化すれば教職の人気はさらに低下し、デモシカ先生ばかりになりかねない。大手新聞が教師へのこれほどの不可解な処分を黙視するならば、問題の高校の親たちが立ち上がり、教諭への不当処分を是正させるほかなさそうだ。

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