2018年8月13日月曜日

プラハとワルシャワ

るNHKの短編番組に『駅ピアノ』というのがある。私はこれまで3篇しか見ていない。最初の回がどこの国の駅だったか忘れたが ( 情けない!)、2回目はチェコのプラハ ( マサリーク駅。チェコの独立運動の指導者で初代大統領 の名にちなむ ) 、3回目は南伊シチリア島のパレルモ国際空港だった。

大勢の人の行き交う駅や空港の構内にぽつんと置かれたピアノに旅行者が立ち寄り、いっときピアノ演奏をするという番組で、曲目はクラシックからポピュラーまで演奏者によりさまざまである。我が国にも例が無いわけでは無いと聞くが、私は出会ったことは無い。恥ずかしがり屋の多い日本人と違いヨーロッパでは文字どうり老幼男女が気楽に弾いて行くという印象だった。

ピアノ演奏自体や内外の多様な素人演奏者たちへの興味もさることながら、挿入される都市の風景が珍しかったり逆に懐かしかったりしながら見ている。後者ではプラハの町の魅力を口にする奏者が多かった。私たち夫婦がツアー参加者として共産圏時代のプラハを見物したとき、現地ガイドが映画『アマデウス』は当地でロケが為されたと自慢したが、確かにそれが納得できる美しい街だった。

古い街並みが残っているということは、ナチスドイツの侵略や「プラハの春」へのソ連軍の介入にチェコ人は徹底して抵抗しなかったことを示す。他方、ポーランド人はドイツ占領軍にたいし武装蜂起して敗れ、美しい旧市街を徹底的に破壊された ( 戦後、破壊された建物の断片を集めて見事に再現したが ) 。

世界遺産のとびきり美しい街を後世に残したチェコ人と、ナチスドイツに果敢に抵抗したポーランド人。より賢いのはチェコ人に違いないが、ワレサの指導下の労組「連帯」の執拗な抵抗が東欧自由化に多大な貢献をしたポーランド人は真に感謝に値する( その後の政治が順調とはいかないのもポーランド人らしい!)。

私はチェコ人とポーランド人の選んだ道のどちらが正しかったか判断できないし、したくもない。ただ、そうした困難な選択に国民を追い込む政治はあってはならないとは思う。

P.S.    前回の西川史子氏の出演した番組は、関口宏が司会する「サンデーモーニング」ではなく、爆笑問題の司会する「サンデー・ジャポン」でした。悪しからず。



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