素材産業などのことは私には分からない。しかし自動車産業では米国での信頼度調査のベストテンの半数以上はいつも日本車である。検査不良のはずの日本車の評価が高いのはなぜか。それでは欧米の自動車はどうなのか。
聞くところによれば、米国では我が国のような最終検査はしないとか。ヨーロッパは国により違いはあろうが、今回の事件で日本の自動車会社に対する損害賠償の動きがあるとは聞かない (タカタの場合のように ) 。少なくとも我が国のメディアの報道にも問題があるのではと私は感じていた。
今日 ( 11月29日 ) の毎日新聞は、「完成車検査 『実効性』を」との見出しで「現行制度は形骸化しているとの指摘もある」との記事を載せている。
同紙によれば、「車の生産管理や部品の精度は年々進化を続けており」、「このため完成品検査で見つかる不具合はほとんどない」。今回の事件により政府は検査体制の再検討を約束しているが、「自動車メーカー側には........検査自体の簡素化を求める声もあり、単なる規制強化には反発も予想されるという。
何のことはない。検査体制そのものが時代に合致しないものになっているらしい。それなのに「世論」に弱い役所が規制強化に乗り出せば、屋上屋を架すことにならないだろうか。メディアももっと実態にそくした報道をすべきではなかろうか。