2025年6月23日月曜日

 愛国教師のとまどい

  私はNHKのいわゆる朝ドラの熱心な視聴者ではなく、現在放映中の『あんぱん』も全篇を見ているわけではない。今朝は小学校教師で政府の宣伝に何の疑問も抱かず愛国主義教育を実践してきた女主人公が、敗戦を迎えて大いに戸惑っている姿だった。

 そうした姿は多くの日本人とりわけ義務教育に携わっていた教師たちの現実でもあったろう。終戦当時、小学校(国民学校!)の6年生だった私たちは夏休み中なのに出校させられ、教室で昭和天皇の「玉音放送」を聞いた。勅語の文面は今読んでも厳粛な気持ちになる名文だが、何を言っているのか小学生には理解不能だった。しかし唯一、 「太平を開かんと欲す」というところでおやとは思った。

 疑問はすぐに解けた。担任の中年教師が「我々は負けた。君たちがいつか仇をとってくれ」と絶叫したので、日本が負けたと知った。それが当時の現実だった。これから主人公がどう変わるのか、多少は興味が増してきた!

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