2025年3月2日日曜日

トランプ・ゼレンスキー会談の破綻

2月28日に実現したトランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談は文字通りの決裂となった。両者の立場の違いが大きい以上、この結果もやむを得なかったのだろう。あとは修復の早いことを願うばかり。

 米大統領の失礼な物言いは今更ではないが、今回はバンス副大統領の口出しが会談を一気に緊迫化させたようだ。私は以前のこのブログでバンスの要職就任に危惧を表明した。彼個人の性格への危惧も大きいが、私は例外は無論あるが一般論として芸術家と牧師の発言を重視しない。彼らはどちらも「絶対の探求」者でありがちで、相対性にとどまらざるを得ない政治の世界に不向きである。

 一方、トランプの発言で新しいのは、ゼレンスキーの主張が世界大戦の口火を切ることになりかねないがある。前にノーベル平和賞委員会が、日本の被団協にノーベル賞を与えた際に私が指摘したように、ロシアとウクライナが妥協を絶対的に拒否していれば、原水爆の使用もありうる。クリミア半島と東部諸州の帰属問題もロシアの主張には一定の根拠があり、NATOの東方への拡大には西側大国ももっと慎重であるべきだった。

 国益の対立も時が経つほどイデオロギー性が強まり、対立を不倶戴天の敵との戦いと化しかねない。冷静な計算も時には必要ではなかろうか?

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