今朝の朝日新聞によると、ハーグの国際刑事裁判所(ICC)がフィリピンのドゥテルテ前大統領の「犯罪」を訴追すると決めた。それに激しく反発するドゥテルテ氏と娘のサラ・ドゥテルテ副大統領とマルコス現大統領の不和が深まっているという。
ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領がフィリピンの麻薬密売組織への厳しい取り締まり(むしろ戦争)の中で約6千人の死者を出したことは以前にも報じられていた。それでもマルコス氏は国民の間の宥和を図るため(と政略のため?)ドゥテルテ氏の娘を副大統領に選んだ。まことに賢明な選択だったが、ICCの前大統領逮捕要求への対応をめぐって正副大統領の間の不和が生じているという。
麻薬取引に従事するギャング組織が中南米諸国で跳梁し、生命まで脅かされている国民が米国に大量に不法入国を計り、トランプ米大統領が彼らの入国拒否を訴えて大統領選に勝利したことは記憶に新しい。もともと私はトランプの不法移民拒否を非難する気にはなれなかったが、命を守るために不法入国せざるをない人たちへの同情に引き裂かれていた。
ドゥテルテ前大統領の命令で麻薬関係者を処罰(むしろ処刑?)する中で多くの誤認による一般市民の死があったことは事実なのだろう。しかし、フィリピンが中南米諸国の轍を踏まなかった事実に前大統領の厳しい対策があったことも想像に難くない。もしそれが無かったなら東南アジア諸国にフィリピン人の「不法入国者」が押し寄せていた可能性は十分あった。私はICC(現所長は日本人)の立場も無論分からないではないが、ドゥテルテ前大統領の「犯罪追及」が既に正副大統領間の不和を生みつつあるだでなく、フィリピンの「中南米化」を産んではならないと考える。
訂正 前回のブログでcivilisatriceをcivili zatriceとしたは誤り。駿馬も老いれば駄馬に劣る。ああ(陰の声。駿馬の時期などあったの!)。
本編の中の下線は消せないだけ。ああ
0 件のコメント:
コメントを投稿