今日2月24日でウクライナ戦争開始から満3年になるという。それと関連してか昨日録画しておいたNHKの『臨界世界 On the edge 女性兵士』と、放映中の『世界ドキュメント 前線兵士』を見た。どちらも(とくに前者)は林の中でロシア兵と対峙する女性兵士の記録、後者は銃後のウクライナ人の苦悩を中心に取りあげていた。
どんな時代でも数十メートル先は敵陣といった最前線は兵士に強い緊張を強いるが、ドローンによる攻撃への警戒は極限の緊張を強いる。悲惨な現場にはウクライナ兵もロシア兵も違いはないだろう。
トランプ米大統領の親ロシア的な動きにロシア側も呼応した動きを見せており、まもなくウクライナを置き去りにした米ソ間の対立緩和に向かいそうだ。ヒトラーの脅迫に英仏がチェコスバキアに領土の一部を譲歩させた悪名高いミュンヘン協定への言及もメディアに現れるようになった(確かにカタチとしては似ている)。
しかし、領土的譲歩は一切しないとのウクライナとくにゼレンスキー大統領の立場にはもともと無理がある。クリミア半島にはロシア皇帝の離宮があり、そこでルーズベルトとチャーチルとスターリンのヤルタ会談が開催されたし、同地には晩年ここに住んだチェホフが名作『犬を連れた奥さん』などを書いた。ウクライナがそれまでウクライナ語とロシア語を国語として認めていたのにロシア語を国語として認めず、東部諸州のロシア語人口を怒らせ、クリミアとならび紛争の原因となった。
それはともかく、ロシアと西側諸国の対立が深まれば第一次世界大戦のようにズルズルと大戦に巻き込まれかねない。これまで広島長崎を中心とする被団協の訴えを一顧だにしなかったノーベル賞委員会が突然受賞者に被団協を選んだことはどれほどこの先を案じたかを示している。
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