トランプ米大統領が南米コロンビアからの「不法移民」の軍用機での強制送還を企てたのに対し、コロンビアのペトロ大統領が当初受け入れを拒んだ。しかし、米大統領が「コロンビアからの全輸入品に25%の関税をかける」とSNSで発表するとコロンビアは態度を改め、送還を受け入れると決めた。
メキシコとの国境を越えて米国に不法入国する人たちはメキシコ人では必ずしもなく、中南米諸国からの移民や難民が主だと聞く。米国自身が移民が建国した国だったが、現代の難民移民は自国の政治の混乱(というよりも破綻)により生活を脅かされるばかりか、生命さえ脅かされていると聞く。むろん同情に値するが米国に入国する権利はないだろう。
中南米諸国はおよそ二百年前、ヨーロッパがフランス革命やナポレオン戦争で多難な時期に相次いで独立を果たした。なかでもハイチはフランス革命の影響下に世界史上初の黒人共和国として誕生した。しかし現在のハイチはギャングの支配下にある。難民として認めよと言われても米国としても「はいそうですか」とばかりに同意する訳にもいかないだろう。
移民難民の流入に直面しているのはヨーロッパ諸国も同様である。EU諸国では難民の権利が認められており、彼らがチュニジアの沖20〜30キロのイタリア領の小島に上陸すればEU諸国は彼らを保護しなければならない。これではヨーロッパ諸国で極右諸党が国民の支持をますます集めるだろう。ヨーロッパのトランプ化である。私には理想主義の陥りやすい陥穽としか思えない。
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