ガザ地区を支配するハマスとイスラエルの間に期間限定ではあるがとりあえず休戦が実現しそうだ。大変喜ばしく、4万数千人の死者と目を覆う国土の荒廃の後とはいえ何とかその後も休戦が続いて欲しい。しかし、休戦の報道に文字通り狂喜乱舞するガザの住民たちを見ていると複雑な気持ちとなった。なぜ住民たちはハマス指導部に対して休戦要求のデモが出来ないのか。それをすればどんな目に遭うか分からなかったからではないのか。他方のイスラエルでは政府に自国民の人質解放を優先するよう要求する数千人のデモが2回あったと聞くのに.............。
もちろん人質を解放したところで和平が進展する保証はなかったろう。それでも先に行動を起こすのはハマスであるべきではなかったか。これではイスラエル軍によるハマスやヒズボラの指導者の暗殺作戦の成功が彼らの変化の原因だったとの疑いが消えない。
アラブとイスラエルの数次にわたる戦争の詳細を私も知らなぃ。しかし、エジプトのナセル大統領によるシナイ半島の占領が発端の第三次中東戦争の際に私は在英中だった。英国の報道陣がシナイ半島東端のエイラート港をイスラエルが失えば(スエズ運河はすでにエジプトの支配下にありイスラエル船の利用は不可能だった) 、同国はアジアとの交易が不可能になるとの質問にナセルは沈黙を守った。それが目的なのだから答えようがなかったのだろう。その後、イスラエル軍の反攻に敗れたナセル大統領は失脚した。私には、休戦に追い込まれた今回のハマスのケースと二重写しになって仕方がない。
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