昨日今日の新聞各紙に初等中等教育に従事する教員に精神を病み退職や休職する者が増加しているとの調査記事が載っている。心痛む由々しい事態である。メディアによればその理由は本務の授業以外の仕事時間の増加、いわゆるモンスターペアレンツへの対応の困難、低い給与ないし不合理な給与体系など。
半世紀以上も前の3年間程度の実体験では理解できないことが多い。給与水準の低さはその通りだろうが、昔も他の職業に就いた同級生ほどの給料ではなかった。それでも当時の「モーレツ社員」の働きぶりを知れば羨ましくはなかった。
二十年ほど前だろうか。「学級崩壊」という事態が問題化したことを記憶している人は少なくないはず。その原因に関しては諸説あろうが、私は生徒の権利といったことがむやみに唱えられたことと全く無関係ではないと感じている。戦前戦中のように教師が生徒たちを2列に並ばせてビンタさせ合うなどといった野蛮なことはあってはならないが、生徒を大人と全く同様に遇するわけにもいかないと思う。
最新のモンスターペアレンツの問題は私は父兄とりわけ母親の学歴が教員並みに向上したことと無関係ではないかとも思う。私が児童だった頃の母親たちは中等教育(旧制の高等女学校)の卒業者は少数派だったと思う(田舎では間違いなく)。ところが現代では教師と生徒の母親とはどちらも大卒が普通だろう(とくに都会では)。弁の立つ人も多かろう。生徒の母の担任批判を生徒が家庭で耳にすることもあろう。ここで校長ら管理職がモンスターペアレンツに毅然とした対応をしてくれれば良いのだが、教育委員会を含めて事なかれ的に対応されたら教師の心も折れてしまうだろう。幸い企業や役所がモンスターカスタマー対策を立てる方向にあるようだ。教育界もしっかりして貰いたい。
追伸 前回のブログに松本清張のそば好きに関連した記事に言及したが、この記事は「多摩版」掲載で、全国版ではありませんでした。悪しからず。
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