シリアのアサド独裁政権がカルタの城のようにあえなく崩壊した。親子2代にわたる体制が崩壊したのは大いに慶賀すべき事件だし、ロシアの支援を受けていた政権の崩壊はウクライナ戦争中のロシアにとって面目失墜となる点で大いに喜ばしい(私はNATO諸国やウクライナが一方的にロシアを悪者にしていることには賛成できないが、世界戦争に発展しかねない戦争の終結のためには両国の疲弊を望む)。
他方、内外のメディアも成功した反乱軍がテロ組織を含む(むしろ彼らが主体?)であることを指摘しており、一方的な民主派の勝利と見做していないのは正しい。それで思い出すのはリビアのカダフィ政権の崩壊である。「アラブの春」の影響下の民衆反乱でカダフィ独裁が打倒された時、私は心から祝福した。しかし、その後の同国は相争う二つの地域に分裂していると聞く。一つの独裁の打倒が国家の分裂と対立を生むならば喜べない。同じ結末はスーダンを始めとする一部のアフリカ諸国の宿痾となっているようだ。数十年間の独裁を経験したシリア国民が同じ過ちを犯さぬよう祈るばかりである。
追記 今朝の朝日新聞に松本清張のそば好きに関連した記事があり、その中で清張の能登金剛の歌碑が言及されている。しかし、私もこのブログで引用した作中の冬の日本海の風景の「かなし」が「恋し」と誤記されている。そうした引用も絶無ではないらしいが、歌碑の写真が「かなし」なので誤りである。私も10年にもなるこのブログでいくつかの間違いを犯しているに違いないが、念のため。
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