2024年5月29日水曜日

 インバウンド外人との超短い対話

  半月ほど前、所用があり都心を訪ねた。京王線で新宿に出てメトロで四谷三丁目駅を往復した。最近、インバウンドの外人観光客で各地が賑わっている(京都など困っている)とは無論聞いていた。東京はそれほどでも無さそうだが、それでもメトロでは往路でスペインの女性と、復路でイタリアの女性と隣席となった。私が話しかけたくて近づいたのではない。どちらも席が空いたので座ったら隣が外人だったのである。

 外人と得意になって話していると他の乗客たちに思われたくなかったので、どちらとも下車駅のふた駅前まで待ち、お国はどちらと聞いたら南スペインとイタリアだった。ついで「日本をエンジョイ出来たか」と訊ねたら、両人とも「大いに」とのことで私も嬉しかった。

 ところが、両人に私も南スペインやイタリアを訪ねたことがあると話したが、具体的な都市名が全然思い出せない。スペインは国際歴史学会出席の際にマドリードとトレドを訪ねたし、他の機会にグラナダ、セビリア、コルドバを満喫した。イタリアも英国の友人とフィレンツェやピサを(彼も初めての大陸旅行だった)、のちに遅れて渡英した家族とローマ、フィレンツェ、ヴェニス、カプリ島などを訪ねているのにミラノしか即座に思い出せなく、なんとも情けなかった。これからは訪問したヨーロッパの各地の名を記したメモを持参しなければ!

2024年5月24日金曜日

パレスチナ紛争解決の第一歩は………

  ガザの戦場には大きな変化はないが、国際政治面では最近注目される変化があった。国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのネタニヤフ政権の幹部とハマスの最高幹部たちを戦争犯罪者として訴追したことと、スペイン、ノルウェー、アイルランド三国によるパレスチナの国家としての承認であり、私はどちらにも賛成である。
 ICCによるイスラエルの現政権訴追は新しくないが、今回はICCとして始めてハマス幹部も戦争犯罪者として訴追したことであり、私は賛成である。私は以前から、イスラエルによるパレスチナ人への攻撃だけを非難する米国の大学生たちの運動には共感できなかった。
 私にはパレスチナ問題の解決には平凡だがオスロー合意(イスラエルとパレスチナの両国家共存)しか考えられない。その意味ではスペインら三国によるパレスチナ臨時統治機構の国家としての承認に大賛成である。                              今はヨルダン川西岸だけを統治する同機構の腐敗や統治能力不足を指摘する声が絶えないが、1960年代のアジア・アフリカ諸国の独立ののち、独裁やそれに伴う腐敗を経験している国家は枚挙にいとまがない。だからと言って植民地独立が誤っていたわけではあるまい。

2024年5月19日日曜日

馬毛島の現況

 あれは二、三年前だったか、大隅半島沖の種子島(西表市)から西に10kmほど離れた無住の小島の馬毛島が自衛隊の艦載機の離着陸訓練タッチアンドゴーの場となるとの報道があり、西表島の市長が反対しているとのことだった。今は無人の同島にはかつての滑走路跡があり、むろん大改修(むしろ新設)が必要になるが、現在、自衛隊岩国基地から1700キロ離れた硫黄島での離着陸訓練を400キロ離れた馬毛島に移せば多大なムダが省けると思った。

 たまたま視聴したテレビ番組では、現在は米空軍の訓練地と共用の自衛隊の基地として1年前から造成が進行中とのこと。そのため漁師たちは本来の漁業よりもはるかに高収入になる資材運搬などに従事し、漁業から離れているとのこと。いつまでも続く仕事ではないにしろ、地方経済にプラスなら大いに貢献してほしい。

 ともあれ、馬毛島の利用で自衛隊にとって多大なムダが省けるだろうし、米軍機の訓練の頻度などは不明だが、多少でもそのぶん沖縄の負担が減らせるなら二重に望ましい。むろん今後も沖縄の基地負担を減らすための本土側の努力は欠かせないが。

2024年5月15日水曜日

 シャープとソニー

  今朝の各紙に家電メーカーのシャープの「テレビ用液晶撤退」と、もはや家電メーカーと言い切れないソニーの過去4年連続の最高売上高(13兆円)が並んで報じられている。私のような古い世代の人間は企業経営の難しさを今さらに感じさせられる。

 日立や東芝などと異なり両社とも戦後の新興企業だが、どちらも半導体やテレビといった時代の花形の商品を作って先行企業に迫る勢いで名を挙げた。当初は洗濯機などの家庭電器が主だったシャープが液晶テレビで先輩企業を追い越したかに見え、ソニーも極小トランジスターラジオで世界にその名を知られた。私は留学先で短波放送で日本のニュースを知りたくて英国製トランジスターラジオを買ったら学生仲間で笑いものとなった!

 ソニーもその後一時、人員整理を迫られた難局はあったが、ゲーム機や半導体や米国の映画会社の買収などで拡大再生に成功した。シャープの場合、同じ家電の(それだけでは無いが)東芝の身売りを見れば経営陣の不手際などと安易に決めつけられない。新しい分野で第一人者となって社員を安心させてほしい。

 

2024年5月13日月曜日

 政治家だけが悪いのか?

  自民党の派閥の裏金事件を受け、政治資金の規制強化が課題となっている。みずから作った法律や取り決めに違反して良いはずがない。素人のわたしには細部は分からないが、速やかに改善策を講じてほしい。しかし、現代の日本でメディアの政治家批判はきびしいが、政治家だけが悪いのか?有権者の側には問題はないのか(低い投票率も勿論だが)。

 昨日の『朝日』にめずらしく!、有権者の側にも批判の矢を向けた記事が載っている。「選挙対策 かさむ出費」「地元会合 1万円X数百回 風評恐れ減らせず」との見出しで、政治家に対する業界団体や住民の金品の要求は風習と化しているとのこと。

 むろん政治家の側の問題点を指摘するのが悪いのではない。しかし、それだけでは片手落ちというもの。それとも有権者の側を批判して購読者の反発を買いたくないのか。まさかとは思うが.............。その点、今回の『朝日』の記事には拍手したい。


2024年5月6日月曜日

 異民族の共生の明暗

  英国の首相が少し前からインド系でヒンズー教徒のスナク氏であることは私も知っていた。オクスフォード大の卒業生で大変な資産家らしいが、かつてインドを支配した英国の舵取り役がインド系とは驚きである。私が留学中の1960年代の半ば、ロンドンのあの特徴あるヘルメット姿の巡査に初めてインド系英国人が採用され、本人の満面の笑顔の写真を見た記憶があり、その後の進化の大きさを思った。

 ところが、今朝の『毎日』で、ロンドン市長もしばらく前からパキスタン系のイスラム教徒と知り驚いた。私の滞在時のロンドンより多民族的とは思うが、アングロサクソン系がまさかマイノリティとも思えない。ひるがえってわが国で韓国系や台湾系の首相や市長が誕生するのは相当先ではないか? 植民地支配の長さも違うが..........。

 他方、英国がルワンダに金銭を援助する代わりに在英の同国人を送り返そうとしている。一見、身勝手な印象を与えるが、英国へと小船で渡ったりトラックの荷室にひそんだりして不法入国するアフリカ人が絶えず、有効な対策を講じなければ政権党からの脱落も有りうる状況で、放置できないと考えたのは理解できる。他民族の共生は必ずしも他民族の混住でなければならないとは思えない。

2024年5月2日木曜日

 『いちご白書』の再現?

  今朝の『毎日』か『東京』(メモなしではどちらか思い出せない!)の記事に往年の米国映画『いちご白書』への言及があった。むろん、現在の米国の大学生たちのガザ反戦の対イスラエル抗議運動との関連からの言及である。私自身は1960年代末の大学紛争では学生たちの追及を受けた側なので必ずしも良い思い出ではないが、ユーミンの『いちご白書をもう一度』の甘美なメロディの故にか映画の『いちご白書』を見たいと思っていたら、先日のテレビ放映で希望を満足させることが出来た。しかし、映画の『いちご白書』での学生たちは日本の学生たちよりもずっと奔放な印象で、ユーミンの音楽のようには馴染めなかった。

 当時の大学糾弾運動が日米ともベトナム反戦運動の強い影響を受けていたとは言えるだろう。米国はアジアの民族解放運動の敵対者と学生たちは捉えた。しかし、「民族解放戦線」と名乗っていても本心は共産主義国家の樹立であることは米軍撤退後直ちに明らかとなり、命がけで国外脱出を図る「ボートピープル」の悲劇を生んだ。「ベトコン」指導者たちの愛国心を疑うものではないが、ひとたび独裁を選んだらそれを脱することがいかに困難かにはもっと敏感でありたいものである。