2024年2月15日木曜日

大学入試の多様化は万能か?

 今朝の朝日新聞は「変わる大学入試」との見出しで三人の識者の論考で現在の大学入試の状況を問題提起している。付図によると、2023年度の入学者は一般入試が48%、推薦が36%、 総合型(面接や過去の学校外の活動の重視)が15%のこと。選抜方法は学力テストが圧倒的に重要だった私の受験時代とは大きく異なっている。

 課外活動の重視など、この数十年間の学生選抜方法の多様化は入学者の多様化を促すと私も信じ、一定程度なら賛成だった。ところが識者たちによるとことはそれほど単純では無いとのこと。例えば入試科目と無関係な課外活動が評価される推薦や総合型では、「体験をお金で買える富裕層が圧倒的に有利」とのこと。

 私が海外留学していた半世紀余り前、『(ロンドン) タイムズ』が、学力だけを問う日本の大学入試を徹底したメリットクラシー( 能力主義)と紹介し、当日の朝のカレッジの食堂で話題ともなり、私はちょっぴりだが誇らしかった! しかし、朝刊紙の識者のひとりによると、その後の選抜方法の改善を経ても家庭の経済格差や文化格差がものを言う「ペアレントクラシー」(「親ガチャ」の逆 )の結果、「選抜方法の多様化が、学生の多様化につながっているかは疑問です」とのこと。

 さいわい、「未だ学歴社会の日本で、受験は『階級』を逆転できる一大イベントでもある』とすれば、奨学金制度の一層の充実など正攻法で改善してほしい。

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