イングリッド・バーグマンとハンフリー・ボガード主演の米国映画『カサブランカ』をテレビで今日午後見た。 六十数年前の学生時代に一度見ているので再度見るつもりはなかったが、たまたまチャンネルを回したら、主演の二人の魅力に取りつかれ、最後まで見てしまった。
そうなったのは私が昔からバーグマンのファンだったためもあるが、今回は時代背景がヴィシー時代(フランスが大戦当初ナチス・ドイツに敗れ対独協力政権下にあった時代)だったので、私の専攻分野と一部重なるためでもある。
第一次大戦の勝者フランスは戦争被害のあまりの巨きさに戦後は厭戦気分が支配し、ドイツがナチス政権下で着々と再軍備を進めても目が覚めず、第二次大戦当初ドイツに国土を占領された(本土の南半分とアフリカ北岸の植民地はドイツの間接支配)。 その結果ドイツの敗戦後は対独協力政権の指導者たちは死刑となった。
大戦終了後ほどなく制作された『カサブランカ』はまさに対独協力政権を祖国への裏切者とする立場から描いている(単純化すれば)。首都をナチスに蹂躙されるまで戦ったポーランドとことなり、フランスは当初形勢非となるとパリを非防備都市と宣言して実質的に休戦した。そのおかげでパリのほとんどの観光名所は無傷のまま大戦終了を迎えた。ポーランドとフランスとどちらが賢明だったかは評価の分かれるところだろう。
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