2023年8月17日木曜日

天国と地獄

  3日ほど前だったか、北アルプスの「伊藤新道」が40年間も廃道になったあげく今夏、山小屋関係者の努力で復活したとの記事(朝日)を読んだと思ったら、昨日の同紙の朝刊に1ページ分の写真入りの伊藤新道の再建の記事が載っていた(そんなに大きなことなの?)。

 記事には略図が含まれるので一目瞭然だが簡単に言うと、 槍ヶ岳を終始南に見ながら湯俣温泉から三俣蓮華岳と鷲羽岳の鞍部の三俣山荘までの10キロの山道を山荘の主人の伊藤正人さんが1956年に開通させた。しかし、かなりの悪路なので四半世紀で通行不能となった。

 私は開通後の3、4年間に2度下山路に利用したことがある。最初は同じ学科だった登山仲間の山行。2度目は有名進学校の登山部の顧問としてだった。どちらも通常の槍ヶ岳登山ののちそのまま下山では惜しいので三俣山荘からさらに奥の「雲の平」と呼ばれる黒部川の源流に囲まれ池塘に富む美しい台地を訪ねたのである。ところが、初回に雲の平にテントを張ってしたように次回も這松を燃料に飯盒飯を炊いたところ、谷間を隔てる三俣山荘から営林所員が飛んできて頭ごなしに叱り飛ばされた(生徒たちの前で)。たった3、4年ほどの間に山の中も世知辛くなっていたのである(むろん先方が正しいのだが.............)。

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