2023年6月11日日曜日

サウジアラビアの政治

  昨日の東京新聞のコラム『本音のコラム』に定期寄稿者の1人の師岡カリーマ氏がサウジアラビアの絶対的支配者のムハンマド皇太子への評価を試みている。

 同皇太子は以前に自分を批判した記者のカショギ氏の暗殺を命じたとして話題を呼んだ。イスタンブールのサウジアラビア領事館が凶行の現場となったと考えられ、陰惨な印象を与えた。そうしたムハンマド皇太子にカリーマが好意を持つはずがなかった。

 しかし、その後の皇太子について『本音のコラム』でカリーマは、同国の宇宙飛行士に女性を登用したこと、このたび国際的音楽フェスティバルの「サウンドストーム」を自国で開催させそこにヒジャブやアバヤで顔を隠さない女性が多数出席した事実を紹介する。カリーマはフェスティバル開催を「朗報だが」「たまたま強権的皇太子の意向にそうから」許されたのであり、「逆にもっと本質的な人権改革を求める声もいまだに抑圧の対象だ」と警戒を緩めない。

 騙されたくないとの彼女の気持ちは理解したい。しかし私はカショギ殺害の当時も、サウジで初めて女性の自動車運転が許可されたとも聞いていたので判断を保留していた。今回もたかが音楽フェスティバルの問題と見るべきだろうか?  私は東ドイツを始め東欧諸国のソ連圏離脱に際し、若者たちの西側風俗 (ジーンズやマクドナルドのハンバーグやロック音楽などなど)への渇望が小さくない役割を果たしたと感ずる。中近東でコーランの教義から離れることの困難(というより危険)を考えればムハンマド皇太子の今後を私は期待したい。wishful thinkingと言われても。

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