岸田首相が年頭の記者会見で「異次元の少子化対策への挑戦」を約束した。並みの対策では少子化を止められないことを認めたと言うことだろう。その認識に賛成を惜しまない。しかし難題ではある。それは社会の先進国化に伴うものだから。
首相は少子化対策として児童手当を始めとする経済的支援を挙げた。考えられるのは出産費用援助の増額や保育園から大学までの学費などの支援だろう。それらは無論望ましい。しかし少子化の根本原因は先進国における女性の地位向上だろう。女性が「家」の圧力から解放され、家庭の外に出て自ら生計を立てるすべを知った以上、金銭的支援の効果は十全とは言えないだろう。
そうとすれば、外国移民への期待は好悪を越えた必要となるだろう。無論反対はあるだろうし(過去の私)、移民送り出し国への配慮は欠かせない。最近は日本での経済移民の得る利点はかつてほどでないとも聞く。しかし、先進国に近づいている中国はともかく、東アジアでは我が国の治安の良さや国民の親切心などは未だ一定の評価を受けているのではないか。仮に将来帰国する者が多くても、日本への理解が深まることは期待できる。仮に日本滞在中はいろいろ不満を口にしても帰国すれば記憶の中で日本の美点が膨らむと私は確信する。これは小さなことではない。
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