2022年12月23日金曜日

ウクライナ紛争への米国の責任は無いか?

  ウクライナのゼレンスキー大統領が渡米してバイデン米大統領と会談し、連邦議会の議員たちに演説した。議員たちは演説に対してほとんど絶え間なく拍手し、ときどき起立して拍手していた。

 大国ロシアの侵攻と闘っているウクライナへの支援強化が誤りだという気はない。しかし、大国の横暴に抵抗する小国といったステレオタイプの理解に留まって良いのだろうか。

 二、三日前のテレビ番組でレーガン米大統領とゴルバチョフ書記長のアイスランドのレイキャヴィークでの会談が放映されていた。政治家の笑顔をそのまま受け取ることは出来ないにせよ、両首脳の間には暖かい心の交流が感じられ、それが三年後のマルタ会談での冷戦終結の宣言に結実したと納得させるものがあった。

 しかし、その後、ゴルバチョフは国家指導者の地位を追われ、現在のロシアでの評価も最低に近いようだ。ソ連末期の経済的政治的混乱がその理由だろうが、米国に外交的に譲歩しすぎた「お人好し」との評価も一因だろう。冷戦後のNATOは縮小するどころか、15ヵ国から30ヵ国に拡大し、大国としてのロシアの自負心は徹底してないがしろにされた。私にはその結果が現在のウクライナ侵攻と思える。

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