昨日、半年ぶりに長距離運転をした。コロナ禍で旅行を控えていた事が大きいが、夫婦ともますます少食になり、旅館の食事を半分近くも残すのが心苦しいことも一因だった。今回は用事のための日帰り旅。
今秋私家版で出版した写真集『一期一会』の中の一枚に、秩父最奥の集落の栃本の旧関守の大村家に学生時代になんの前触れもなしに泊めていただいたと書いた。田部重治の『峠と高原』に同家で歓待されたことが書かれていたのがきっかけだが、高名な紀行文作家(高校の教科書で氏の「笛吹川を遡る」を読んだ)と一介の大学生の違いもわきまえず、夕刻同家を訪れた。断られたら野宿するしかない時刻だったが、一泊し食事もいただいた。
今回、近年の栃本を写した一枚に同家への感謝を書き添えたので、ぜひ一冊進呈したいと昨日栃本を訪れた。ところが場所の記憶はないので関所跡の近くの数軒を正午ごろ訪ねたが全て不在。結局は持参した写真集を持ち帰る羽目になった。なかには屋内に洗濯物が干してある家も複数あったが、無住を隠すためではないかとも思った。
『ポツンと一軒家』を毎週見ているので山村の実情を知らぬではなかったが、道路は全て舗装されガードレールはあってもしんと静まりかえった家々を見て、写真を撮った10年ほど前とも違った変貌の大きさを実感させられた。訪ねた時間が悪かったと思いたいが。
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