井上尚弥選手が世界ボクシング界の4団体の王座統一を成し遂げた。4団体の王座を独占したのは日本人初であり、アジア人初の快挙とのこと。写真でだがなかなかの好青年でもあり、日本人として嬉しい。
わが国のボクシング界について戦前に関してはピストン堀口の名前を知る程度だが、戦後初めて世界チャンピオン(フライ級)になった白井義男のことはよく覚えている。アメリカ人のカーン博士に才能を見出され、従来の日本ボクシング界の「肉を切らせて骨を断つ」式の作戦とは違った科学的トレーニングを受けて前王者のダド・マリを破ったとき、メディア(といっても当時は新聞中心)の扱いも大きかった。何しろすべての面で米国に頭が上がらなかった当時のこと、白井は日本の英雄だった。
しかし1960年代にタイ国にポーン・キングピッチが出現し、状況が変わった。カミソリパンチを謳われた海老原博幸や、試合の初めから終わりまで一刻も攻撃をやめない壮絶なファイティング原田はファンを沸かせたが、一度は王座に着いた2人ともリターンマッチでポーンに敗れ日本人ファンをガッカリさせた。
その後も具志堅用高ら強いチャンピオンは出たが、世界のボクシング団体が倍増し、また重量別のクラスも倍増?したため自然とメディアの扱いも小さくなった。久しぶりの例外となった井上選手にはクラスを上げていつまでも活躍してほしい。
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