2021年度のノーベル平和賞はフィリピンとロシアの二人のジャーナリスト、マリア・レッサ女史とドミトリー・ムラトン氏に決定した。同賞には過去の実践に対してよりも将来の良き変化を促したいとの願望が込められている場合があり、金正日首席の受賞などその例だろう。しかし今回は表現の自由を守るため生命の危険を顧みない両者の受賞は素晴らしい人選である。
どちらも強権的政権(ドゥテルテとプーチンの)への批判が受賞理由だが、ドゥテルテ批判に対して私は全面的に賛成して良いか迷う。むろん過剰な権力行使とりわけ無実の人の殺害など是認されて良いはずはない。しかし、中南米諸国の中には麻薬取引を発端とするギャングの跳梁で国民が国外逃亡しつつある国が稀ではない。フィリピンがそうした破綻国家になることをドゥテルテ大統領が阻止している面もあるのではないか? 彼自身も命がけかも........。
それに対してロシアはゴルバチョフのもと一時期は民主主義国だったし、そもそもギャングが跳梁している国ではない。そうした国で反政権の言論活動を展開したジャーナリストが殺害されるなどあってはならないこと。こんなロシアの現状を見ていると、ロシア革命がロマノフ王朝を滅亡させたことが果たして良いことだったか疑問に思えてくる。
いずれにせよ今回のノーベル平和賞受賞で政権が両人の命を狙うことはほぼ不可能になったのではないか今はそれが何よりと思う。。
0 件のコメント:
コメントを投稿