今朝のNHKの『日曜討論』は、「徹底分析! 中国共産党創立百年」とのテーマで、各界の中国通が討論した。一方に中国批判派の阿古智子、藤原帰一の両東大教授が中国の人権問題や攻撃的外交を問題としたのに対し、他方に中国理解派?の宮本雄二元中国駐在大使を中心に現中国が経済のめざましい成長を達成したと評価する人たちがいた(台湾は曲折はあったが自由のうちに経済成長を果たしたが)。ともあれ、賛否両論代表を招いたNHKの方針には賛意を表したい。今回の天安門広場の式典に参加した若者たちの明るい表情が演技だったとは思わない(党の祭典だから彼らは党員だろうし、エリート候補だろうが)。
同じNHKの『クローズアップ現代』(7月1日)は「自信を深める若者の’リアル’」と題してより丁寧に問題を取り上げていた。近年、中国から米国に留学した者たちのおよそ8割が相次いで帰国したとのこと。やはり彼らを受け入れる高給の就職先が増大したと言うことだろう。至るところにカメラのある監視社会も犯罪減少をもたらしている。
しかし、格差社会では学歴の無い者はなかなか定職に就けず、ギガ・ワーカー(フードデリバリーなどインターネットで単発の仕事につく人)は2億人に達するという。つまり勝ち組と負け組がはっきり分かれるということ。そうなれば「中国の夢」や「中華民族の偉大な復興」といった愛国的スローガンに頼ることになる。自然に生まれる愛国心を否定しないが、為政者が愛国心を口にするとき、18世紀の英国の文学者のサミエル・ジョンソンの名言、「愛国心はならず者の最後の拠り所」との名言が思い出される。
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