2021年6月19日土曜日

野生動物との共存の難しさ

  札幌市内に熊が出現し、負傷者を残し射殺された。同市には複数の元教え子が住むが、同じ札幌でもかなり離れた場所のようだ。

 近年全国で熊や猿や鹿や猪が人里に出没して農作物を食い荒らし、その被害は相当深刻と聞く。『ポツンと一軒家』を見ていても、畑をフェンスで囲っている家をしばしば見る。相手も食料確保に必死だから本格的なフェンスでなければ効果はない。二度ほどテレビで人形の?狼(実物より大きく、他の動物が近づくと恐ろしげな叫び声をあげ、目が爛々と赤く輝く)を紹介していた。鹿も猿も一目散に逃げ出し痛快だったが、価格は半端ではないだろう。

 農作物への被害という点では同じだが、鹿の害のほうが樹木に害をなす点でよりしんこくかもしれない。積雪期の食糧に困った鹿は木々の樹皮を食べるので、食べられた木は養分を吸い上げられなくなるなり、枯れてしまう。日光の戦場ヶ原などあまりに被害が大きいので、鹿が食べそうな高さに厳重に鉢巻した木が多い。無論被害は日光だけではない。

 市町村も猟友会などに依頼して全国で年間十数万頭を駆除しているそうだが、頭数増はそれを上回るという。人口が減少している地方を助ける良い方法はないのか。ジビエ料理も人口に膾炙するようになり、じじつ長野県などでは観光客向けの「道の駅」などで鹿や熊の肉を見かける。しかし、それほど売れているようには見えない。人間と野生動物との共存は理想だが、現実は厳しい。

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