2020年9月22日火曜日

薩埵峠の富士

富士山に初雪が降った。しかしテレビや新聞で見る限り山頂にごく薄く降った程度で、積雪というほどの量ではなかった。

三、四年前、やはり富士に初雪が降ったとき、広重の『東海道五十三次』の「由比」に描かれて有名な薩埵峠を見る好機会と思って出かけた。その時も積雪量は僅かだったが、それでも東側の足柄あたりの高速道からは白雪と認められたが、清水インターあたりになると少ない積雪が前日の西風に吹き払われて白い砂糖を薄くまぶしたケーキ程度になっていた。それでも今さら引き返す気にはならず、薩埵峠に着いた。

最近は眼下の東名高速道路、国道一号線、JR東海道線を見下ろす写真を覚えている人が多いだろう。その通りの景色だったが幸い好天だったので、初めての薩埵峠からの富士に満足した。

三日ほど前だったか、NHKテレビで広重の『東海道五十三次』を紹介する番組があった。これ迄にも断片的には親しんでいたつもりだったが、丁寧な解説を聞きつつ見るとその偉大さに感じ入った。私自身、これまでどちらかと言えば北斎の『冨嶽三十六景』の方に惹かれていたことを反省させられた。

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