2019年8月16日金曜日

慰安婦像の展示

「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」がSNSなどで激しい批判 ( というよりも脅迫 ) を浴び、当面中止となっているようだ。とくに韓国人作の慰安婦像の展示を中心に、中止の是非や展示自体の是非など批判や反批判が入り乱れているようだ。

芸術監督の津田大介氏の中止判断はやむを得なかったと私は思う。世の中には理不尽極まる行動をする人間が居り、警備にも限界はある。京都アニメーション襲撃事件の直後だけに観客や関係者の安全を優先したのは理解できる。

中止への口火を切った河村名古屋市長に対し大村愛知県知事が、中止は表現の自由を定める憲法に反すると市長を厳しく批判した。しかし、『読売オンライン』( 8月14日 ) によると知事は津田氏に慰安婦像展示を「本当にやるのか。展示はやめてもらえないか」、「実物ではなくパネルにしたらどうか」などと裏で働きかけていたという。津田氏の突然の辞意表明には判断の誤りへの同氏の後悔もあったのだろう。

一昨日の『朝日川柳』に、「芸術の衣をまとったプロパガンダ」との句が載っている。私も慰安婦像に関し川柳子と同意見である。しかし、表現の自由はプロパガンダ作品には及ばないとは言えない。ピカソの『ゲルニカ』は芸術であり、プロパガンダでもある。それでも、県や市が何億円もの助成金を支出したイベントに、国際法を無視して大使館の前に展示されている像の出品は妥当だろうか。脅迫など絶対に許されないが、純民間の催しに出品された場合とまったく同じように考えるのが当然とまでは思わない。

P.S.  前回のブログでガダルカナル島での日本軍の敗北を大本営は「撤退」と発表したと書いたが、実際は「転進」だったと思う。最近の物忘れは酷くとも昔のことは忘れていないと信じていたが........。

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