2025年11月11日火曜日

仲代達矢氏の逝去を悼む

  映画俳優というよりもひろく演劇人というべきか。何しろ、私が知るのは『切腹』や『椿三十郎』シリーズなど、時代劇映画の俳優という氏のほんの一面に過ぎない。それでも忘れられない名優だった。

 丹波哲郎との共演の映画『切腹』を私は封切後まもなく見て感動したが、英国の大学町の映画館でも再見した。もっとも、ゲーリー・クーパー主演の『真昼の決闘』との併映で、圧倒的多数の学生観客のお目当ては有名な後者だったろう。しかし、続いて上映された『切腹』が終わったとき、すぐ立ち上がった観客は数えるほど。茫然としている観客が大半だった。『真昼の決闘』も有名作品でむろん悪くはなかったが、『切腹』はそれ以上の感銘を英国の観客に与えたと私は確信している。

 英国では『ハラキリ』というタイトルで上映された『切腹』はむろん小林正樹監督のいくつもの名作の一つだろう。しかし、シナリオを書いた橋本忍氏の功績も大きい。黒澤明監督の数々の名作のシナリオ作者でもある橋本氏が後年に自身も監督になり黒澤氏から離れると、黒澤映画もかつての栄光を失ったと私は感ずる。橋本氏は世界で日本映画の評価を高めた恩人だった。

 ずっと以前にこのブログで今回のエピソードを紹介したかも。あしからず!

 

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