昨日の『朝日新聞』は1ページを費して『ニューヨーク・タイムズ』の記事を、「ロシア機関の秘密報告書が明かす中国への根深い警戒感」「潜在的な敵、 中ロ蜜月の裏で諜報合戦」との大見出しで紹介している。
ロシアの「連邦保安局」(ソ連時代の悪名高い諜報保安機関ゲペウの後身) が見出しのような活動に励んでいるとの情報は確かに衝撃的である。しかし、制度として諜報機関が存在し、その一部門として対中部門があるのは当然とも言え、それほど驚くべきことではない。
しかし、そうばかりとも言えないのは清朝時代に中国が支配したチベットへの現中国の執拗な支配欲である。同じ清朝盛時の1689年のネルチンスク条約は現在の中露国境よりはるか北の外興安嶺(スタノボイ山脈)を露清国境と定めた(どんな高校世界史の教科書も言及)。とあれば、中国が現在の中露国境に満足しているとはとても思えない。ロシア同様、中国の諜報機関も調査研究に励んでいるだろう。『ニューヨーク・タイムズ』の記事は驚くに値しない。「国家にとって永遠の友も、永遠の敵もないのは常識なのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿