もう一年前とはむろん知らなかったが、ニューヨーク・タイムズの特集記事で盛岡市がロンドンに次ぐ世界で2番目の都市として紹介された事実が最近になって話題を呼んでいる。今朝の朝日新聞が「海外の目 足元の『価値』を照らす」との見出しで大きく取りあげている。鎌倉市在住の米国人作家の紹介が端緒とのことで、権威ある調査機関が選んだわけではないし、盛岡市民自身が「うそだって」、「盛岡でいいの?」と口をそろえているように、大方の日本人にとっても意外至極だろう。
私自身は東北旅行の途次に複数回訪ねている他に、勤務先の大学の初代学長の新渡戸稲造の学内研究会の活動の一環として、盛岡市内の『盛岡市先人記念館』(視察当時はたしか『三偉人記念館』という名称で新渡戸稲造と米内光政と金田一京助の3人が対象だった)を訪ねている。
しかし、平均的日本人が盛岡の名で思い出すのは、わんこそばや南部鉄器もさることながら、やはり石川啄木と関連する岩手山と北上川と不来方の城跡ではないか? 新渡戸稲造との縁の深い職場に奉職した身で失礼は承知の上でだが、花巻の宮沢賢治と共に文学作品の持つ影響力の大きさをあらためて痛感させられる。
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