2023年11月25日土曜日

麻布台ヒルズへの道

  昨日の朝刊各紙に2ページを独占して麻布台ヒルズの広告が載っている。これまで日本一の高さだった大阪のあべのハルカスをしのぐ高層ビルと場違いの緑の草原?が注目されるのは当然かもしれない。

 建築主の森ビルの数年前に亡くなった森稔社長は大学の最初の2年間のクラスで同級だっだ。彼は当時は文学好きで、クラスが一年次と二年次に大学祭で上演した二つの劇の演出を担当した(私は前者では一言も発しない酒場の相客役。後者では祭り全体の執行部との連絡係だった!)。その後彼は家業の貸ビル業に従事し、アークヒルズ、六本木ヒルズなどの建築主となり、我々の同窓会は新築のヒルズ群(御殿山ヒルズやお台場のレジャースポット「ヴィーナス.フォート」なども)で開催されるのが通例となった。

 ヒルズ建築群が最初のアークヒルズから大きな話題を呼んだのは、その実現のため百戸以上の住宅群を納得づくで撤去すると云う驚くべき努力の結果だったからである。何処にそんなエネルギーがあるかと思わせる物静かな男で、同窓会でも決して話題の中心では無かった。私などは観光地としてのシンガポールの躍進を知って初めて「都市間競争」の存在に気づいたが彼は早くからそれを意識していたのだろう。先見の明とそれを実現する不屈の忍耐力を備えた稀有の男だった。今日の麻布台ヒルズの開場を見せたかった。

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