2021年3月25日木曜日

二人の退場を惜しむ

  柔道男子71キロ級の金メダリストの古賀稔彦氏が53歳で亡くなった。私は柔道を習ったことはなく、特別の関心を寄せたわけではない。それでも古賀氏の早すぎる死去には惜しむ心を禁じえない。

  その理由の一つは氏がガンに勝てなかったこと。嘗てと異なりガンはもはや不治の病では無くなりつつあると信じていたのに、古賀氏のような強靭な肉体の持ち主でもガンには勝てなかったとは......。 理由の第二には氏が背負い投げを極めたこと。柔道が世界に広まるにつれ勝負にこだわる選手ばかり。寝技は本来認められた勝負手だろうが、寝技専門のような選手が現れたり、時間内に技らしい技をかけずに優勢勝ちを狙っているとしか思えない選手もいる。それに対し古賀氏ほど美しい柔道、これぞ柔道と思わせる背負い投げに徹底してこだわった柔道家は居なかった。第二の古賀は現れるだろうか。

  横綱鶴竜が現役を引退する。優勝回数は全6回とのこと。ここから強い横綱との印象は薄いかもしれない。しかし、彼は白鵬の全盛期に横綱を務めたのである。同時期の日本人力士が琴奨菊も稀勢の里も1回しか優勝していないことを考えれば、立派な横綱だったと言える。さらに古賀氏同様、その勝ち方は爽快で、張り手など美しくない勝負手に頼らなかった。最後の数場所休場を続け、協会から決断を迫られたが、私は鶴竜関は欲などで無くただもっと相撲をとりたかっただけと信ずる。今後は親方として相撲界に尽くして欲しい。

追記  前々前回、私の病気の告知が全文大きな活字だったのは当方の操作ミスで、不本意なことになりました。ご理解を!

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