2021年3月16日火曜日

社会民主主義の後退

  朝刊に、ドイツで一昨日おこなわれた南西部2州の選挙結果が、「メルケル与党痛手  緑の党は堅調」との見出しで報じられている ( 『朝日』)。同国では戦後長い間、保守二党と社会民主党 (SPD)の政権交代が当り前になり、ブラント、シュミット、シュレーダーの3人の社民党政権がそれぞれ立派な業績を残した。ところが最近は「緑の党」がSPDの上位にあるらしい。信じられない思いである。なぜならSPDといえば、19世紀後半の創立以来100年以上も世界の社民勢力の模範となっていたから。それなのに何故?

  しかし、翻って考えれば我が国の社会党はもっと惨憺たる事になっている。私の学生時代、与党はつねに自民党だったが、社会党の躍進を願って深夜まで選挙結果を知るためラジオに聞き入ったのは私だけだっとは思わない。しかし、野党連立内閣でも誇らしい成果を挙げられないまま、福島党首一人の党になってしまうとは..........。

  原因として社民勢力にとって嘗て打倒対象だった資本主義が予想を越えてしぶとかったことが大きいだろう。また、愚かにもソ連や新中国 ( さらには北朝鮮まで!)に長いあいだ幻想を抱いた時期があり、中ソ対立以後矛盾が表面化した事も大きい。政党は高い理想を持ち、何れほど善意や誠意に溢れていても正しい方針を示さなければ支持を失う。それでも占領期以後の我が国では政治家がその政見のゆえに刑務所入りすることは無い。 ある時期、 日本社会党がそれに貢献したと考えたい。

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