丸山議員の今回の発言が暴論であるとして野党やメディアがこれに反対するのは理解できる。しかし、発言に反対することと発言を封ずることとは別の問題である。戦前の帝国議会で斉藤隆夫代議士が反軍演説をして同僚により議会を除名された。それと今回のケースでは方向が正反対だとの反論は当然あろう。しかし、どちらのケースも理念 ( 超国家主義と平和主義 ) が先行して現実から出発していない点で共通する。
『東京新聞』( 5月15日 )の社説は「『戦争で奪還』 平和主義を踏みにじる」と題され、「外国による『不法占拠」が続く日本固有の領土は平和的な外交手段によって取り戻すべきであり.......( 丸山発言は )平和主義を踏みにじる」と主張する。しかし同紙は北方領土を「平和的な外交手段」によって取り戻せると本当に信じているのだろうか? 信じていないのに平和的な外交手段を口にするのは偽善だろう。
私も丸山発言は愚かであると考える。それは発言が憲法の平和主義に反するか否かではなく、現実を直視していないからである。北方領土を奪還するためにロシアと戦争したところで勝利するパーセントはゼロであるばかりでなく、ヤルタ秘密協定の調印国である米国が対露戦争で我が国を支持するはずもない。かくあるべしとの理念から現実を無視すれば太平洋戦争と同様、国民の不幸をもたらすだけだろう。
P.S. 前回のブログの「1ヶ月ほど何とかで快方」は「1ヶ月ほどで何とか快方」、「田子倉ダムとそれを作った巨大な田子倉湖」は「巨大な田子倉ダムとそれが作った田子倉湖」の誤り。ボケの始まり ( 中期? )のなせる技か?!
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