2019年5月18日土曜日

奥只見の春

今年は腰痛のため多摩市内でしか桜見物ができなかった。いよいよ万年腰痛持ちになるのかと悲観しかけたが、1ヶ月ほど何とかで快方に向かいつつあり、遅まきながら東北の春を求めて南会津の柳津 ( やないず )温泉に一泊してきた。

魚沼市の小出から会津坂下までJR只見線も通じているが、並行して約110キロの六十里越と呼ばれる国道252号線 ( 冬季閉鎖 ) が通じており、中間点に田子倉ダムとそれを作った巨大な田子倉湖がある。以前、越後側かろ会津地方に抜けたとき、満々たる只見川に面した柳津温泉に好印象を受けていたので、今度は逆コースの途次、同温泉の「瀞流の宿K」に宿をとった。この頃は公共の宿に泊まることが多かったので食べきれない量の食事には困ったが、気持ちの良い宿だった。

東北道の沿道の山桜の季節は終わっていたが、随所に藤の花が咲いていた。しかし宿の対岸の数本の杉の樹?の全体を藤の青い花が覆っている様ははじめて見る風景だった。しかし翌日、六十里越の至るところで文字どうり藤の花に覆われた木々を見た。桜の時期に負けない美景で、結果として良い季節を選んだことになった。田子倉湖では対岸の残雪の山々を背景にした湖は予想通り (それ以上?)の美しさで、来年の年賀用写真はこれで決まりかと思わせた。

六十里越の途中には戊辰戦争で敗れた長岡藩家老の河合継之助 ( 司馬遼太郎の長編『峠』に詳しい)が会津への逃避行の途次戦傷が悪化して死んだ家が記念館になっている。しかし今回も気が急いて素通りしてしまった。二度と訪れることはないだろうに........。

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