2019年5月27日月曜日

今後おもしろくなりそうな大相撲

大相撲夏場所は新鋭朝乃山の優勝で幕を閉じた。平幕力士の優勝は珍しくないが、場所前、名前も知らなかった力士の優勝は予想外だった。私だけだろうか?

最近の大相撲は貴景勝や御嶽海のような押し相撲を得意とする力士たちの活躍が目立っていたが、朝乃山は四つ相撲を得意とし、それを強く意識しているとのこと。私は押し相撲を好まないので朝乃山には大いに期待する。

しかし、同じように今場所からその名を知った炎鵬の今後にはそれ以上に期待する。軽量小型 ( 私と全く同じ身長 )  の彼の変幻自在の取り口は舞の海以来だが、それ以上に多彩で型破りの取り口は素晴らしい。それでも将来の大関横綱候補とはいかないだろうが、舞の海同様に相撲人気を盛り上げてくれるだろう。

あと1勝で大関復活の栃ノ心が軍配差し違いで朝乃山に敗れた一番は問題だった。各紙の写真でも判定は微妙だったが、『朝日』の写真では栃ノ心のカカトは俵の上に残っており、少なくとも取り直しが妥当だった。外国人力士だから負けとされたとまでは言えないが、栃ノ心の心中はどうだったか。翌日の対鶴竜戦で彼がはたき込みで勝った取組は熱戦を期待していた相撲ファンは失望しただろうが、栃ノ心自身も忸怩たるものがあったようだ。しかし、張り手やカチ上げに比べればはたき込みは何ら恥ずかしい手ではない。大関に再昇進となって本当に良かったと思う。


2019年5月21日火曜日

丸山穂高議員の誤りとは?

日本維新の会の丸山穂高議員が戦争による北方領土の奪還を主張したとして野党6党?が議員辞職勧告決議案を国会に提出したという。国会議員が同僚の口を封じるということなら問題である。将来いつか現在の野党が後悔のホゾを噛む日が来ないとも限らない。

丸山議員の今回の発言が暴論であるとして野党やメディアがこれに反対するのは理解できる。しかし、発言に反対することと発言を封ずることとは別の問題である。戦前の帝国議会で斉藤隆夫代議士が反軍演説をして同僚により議会を除名された。それと今回のケースでは方向が正反対だとの反論は当然あろう。しかし、どちらのケースも理念 ( 超国家主義と平和主義 ) が先行して現実から出発していない点で共通する。

『東京新聞』( 5月15日 )の社説は「『戦争で奪還』  平和主義を踏みにじる」と題され、「外国による『不法占拠」が続く日本固有の領土は平和的な外交手段によって取り戻すべきであり.......( 丸山発言は )平和主義を踏みにじる」と主張する。しかし同紙は北方領土を「平和的な外交手段」によって取り戻せると本当に信じているのだろうか?  信じていないのに平和的な外交手段を口にするのは偽善だろう。

私も丸山発言は愚かであると考える。それは発言が憲法の平和主義に反するか否かではなく、現実を直視していないからである。北方領土を奪還するためにロシアと戦争したところで勝利するパーセントはゼロであるばかりでなく、ヤルタ秘密協定の調印国である米国が対露戦争で我が国を支持するはずもない。かくあるべしとの理念から現実を無視すれば太平洋戦争と同様、国民の不幸をもたらすだけだろう。

P.S.   前回のブログの「1ヶ月ほど何とかで快方」は「1ヶ月ほどで何とか快方」、「田子倉ダムとそれを作った巨大な田子倉湖」は「巨大な田子倉ダムとそれが作った田子倉湖」の誤り。ボケの始まり ( 中期? )のなせる技か?!

2019年5月18日土曜日

奥只見の春

今年は腰痛のため多摩市内でしか桜見物ができなかった。いよいよ万年腰痛持ちになるのかと悲観しかけたが、1ヶ月ほど何とかで快方に向かいつつあり、遅まきながら東北の春を求めて南会津の柳津 ( やないず )温泉に一泊してきた。

魚沼市の小出から会津坂下までJR只見線も通じているが、並行して約110キロの六十里越と呼ばれる国道252号線 ( 冬季閉鎖 ) が通じており、中間点に田子倉ダムとそれを作った巨大な田子倉湖がある。以前、越後側かろ会津地方に抜けたとき、満々たる只見川に面した柳津温泉に好印象を受けていたので、今度は逆コースの途次、同温泉の「瀞流の宿K」に宿をとった。この頃は公共の宿に泊まることが多かったので食べきれない量の食事には困ったが、気持ちの良い宿だった。

東北道の沿道の山桜の季節は終わっていたが、随所に藤の花が咲いていた。しかし宿の対岸の数本の杉の樹?の全体を藤の青い花が覆っている様ははじめて見る風景だった。しかし翌日、六十里越の至るところで文字どうり藤の花に覆われた木々を見た。桜の時期に負けない美景で、結果として良い季節を選んだことになった。田子倉湖では対岸の残雪の山々を背景にした湖は予想通り (それ以上?)の美しさで、来年の年賀用写真はこれで決まりかと思わせた。

六十里越の途中には戊辰戦争で敗れた長岡藩家老の河合継之助 ( 司馬遼太郎の長編『峠』に詳しい)が会津への逃避行の途次戦傷が悪化して死んだ家が記念館になっている。しかし今回も気が急いて素通りしてしまった。二度と訪れることはないだろうに........。

2019年5月15日水曜日

新しいもの好きなフランス人

パリのノートルダム大聖堂の火災から今日で1ヶ月とのこと。今朝のNHKニュースが、再建案に関してフランスでは論争になっていると伝えた。

フランスでの世論調査では火災前そのままの再建案と前代に囚われない新しい様式を取り入れた案では55対44で昔のままの再建案が支持されたという。予想通りと言いたいが、私はむしろ新しい様式との声が半数近いのに驚きを禁じえなかった。我が国では考えられないのではないか。

現在までに提案されている改築案として、1) 焼け落ちた尖塔をガラス製にする  2)屋根全体をステンドグラス製とし夜間に光り輝く外観とする  3)屋上に花や木を植えた「緑の庭園」とし、そこからのパリの展望を楽しめるようにする  の三案が番組で紹介されていた。まさかとは思うが.....。

フランス人の新し物好きは今始まったものではない。古くはエッフェル塔が芸術家たちの大反対にもかかわらず建設され、今ではパリの名所となっている ( 私も死ぬ前にもう一度見たい!)。30年以上前、ルーヴル美術館の入り口は国際コンペで中国人建築家のガラスのピラミッド案が採用された。それ以前は館内が複雑な上に案内表示が不備なためミレーの名画群など、私は二度目にはついに到達出来なかった。今では嘘のように便利になったが、外国人案の採用とともにミランス人の新しいもの好きを物語っている。

エッフェル塔が建ったのちも芸術家たちの不評は収まらず、小説家のモーパッサンは塔が目に入らぬという理由で塔内のレストランを利用したという。共産国時代のポーランドのワルシャワではソ連が寄贈したスターリン様式と呼ばれた武骨な「文化スポーツ宮殿」がそびえていたが、当時、現地の観光ガイドは「ワルシャワの最も眺めの良い場所は文化スポーツ宮殿だ。なぜなら文化スポーツ宮殿が目に入らないから」と客を笑わせた。モーパッサンの模倣かどうかは断定できないが、私はそれより30年以上前に『週間朝日』でワルシャワっ子のアネクドート ( 小話 )としてはじめて知った。30年後にも人口に膾炙していると知ってポーランド人のロシアに対する複雑な感情を再認識させられた。

2019年5月13日月曜日

休日の銀座

旧友数人で食事会をすることになり、昨日、久し振りに銀座に出かけた。以前は家内と休日に上野の美術展を覗いて昼食を銀座で取ることも稀ではなかった。しかし今や終活の季節となり、同地に何軒かある中古カメラ店を覗くのも無意味となったし、直接的には並木通りの北端に路上駐車して時間超過のため罰金を取られて以来縁遠くなっていた ( まだ女子警官が車を覗いていたところだった。男子警官だったら警告で済んでいた?)。

今回は東京の東郊と西郊に住むメンバーの中間点を会場に選んだ。尾張町交差点の銀座三越の入り口で集合し、予約してあった近くのRロシア料理店で昼食を摂った。半世紀近く前、渋谷にあったころ訪れたことのある店で、ロシア料理が特に好きではないが、雰囲気も良く満足だった。

何しろ全員が80歳台なので、健康は万全ではないが新旧の話題にこと欠くはずもなく、楽しいひとときだった。食後、私は以前の松坂屋の跡地に出来たGINZA  SIX を覗くつもりだったが、道路に面した欧米のブランド店や正面玄関のいかめしさに気圧されて結局入らずじまいだった (もともと買うものもなかったし!)。噂どうり銀座は外国人が溢れており、それ自体は結構なことなのだが、昔の銀座を惜しむ気持ちも多少抱いた。旧友たちとは秋の再会を約して東西に分かれた。

2019年5月6日月曜日

「ポツンと一軒家」の魅力

日曜日の夜のテレビ朝日の番組に「ポツンと一軒家」という旅番組??がある。まだ番組開始後いくらも経てないらしいが、最近、とくにNHK大河ドラマの「いだてん」が面白くなさそうなので ( 未見!) 、「一軒家」を見ることが重なった。先日のテレビ視聴率番付では何と5位?を占めており、費用対効果を考えればスタッフには金一封ものだろう。

番組は毎回制作スタッフが、衛星からの画像で発見した文字通りの山中の一軒家を2軒訪ねるというもので、ある意味他愛の無い番組ともいえるが、大都会のマンションの住民の対極とも言える山中の一軒家に住む老人たちが孤立し不便な生活をおくる理由には毎度感心させられる。

昨夜の場合、1番目のケースは和歌山県の奥地の道路の終点からさらに山道を2キロ歩く一軒家に孤り住む老人の場合だった。妻は足を痛めてもう20年?も麓の集落に住むが、当人は先祖の建てた家を捨てることもならず住んでおり、途中の五つの小橋は全て手作り。絶え間無い道路補修も自分でおこなっていた。

2番目の山口県のケースでは、他の多くのケースと同様に狭い山道が辛うじて住居まで通じているが、約300年前に先祖が開いた2000坪の田圃をイノシシやシカの被害を受けながら守って夫婦で住んでいた ( 冬には自力で道路を除雪!)。

番組に登場する人たちはたいてい「ポツンと一軒家」を見ていて ( そんな一軒家にも必ず電気はきている )、いつか取材されることを夢見た?ケースが大部分だった。かつては一帯に住んでいた隣人たちが家を捨てて麓で暮らす中で独り残留した理由の一端は立派な造りの家を見てある程度納得した。それにしても何を買うにも軽トラックで山道を往復する不便さの極致の生活に耐える人々には毎回尊敬の念を抱くことが多い。番組の人気の秘密もその辺りにあるのではないか。

2019年5月4日土曜日

皇室報道の洪水

新元号発表から新天皇就任まで1ヶ月あまり、与党贔屓のメディアも野党贔屓のメディアも多少の批判をにじませるか否かは違っても例外無く皇室関係記事のたれ流し?だった。新天皇に代わったからといって政治に関与しない象徴天皇制の下では国の指針に変りがあるはずも無い。そんなに騒ぐこともあるまいにと思うが、他紙にひけを取るまいとの一念としか思えない。毎日、運動不足解消を兼ねて駅前の図書館で各紙を読む私もこの2週間ほどはどれも同じような記事ばかりのため帰宅時間が早くなった!

そんな中で多少とも関心を持ったのは新旧の天皇皇后への人間的興味からだった。これとてもいずれも良く出来た方であることに異存は無いが、それでもそれぞれの個性は存在する。私としてはやはり新天皇夫妻が海外留学経験者であることに由来する変化に期待したい。皇后が常に天皇より半歩遅れて歩まれるのを見たくないし、全般的にもっと自然に振舞ってほしい。国民との間に時にはユーモアを交えたやりとりを見たい。

英国のチャールズ皇太子は品行優良とはいかなかったようだが、記者会見で「人類最古の職業である王族の一員として」と切り出して爆笑を誘った ( 「人類最古の職業」とは売春婦のこと )。我が国の皇位継承者にそこまでの自虐を期待しても何十年先か分からないが、平成天皇の口からウィットに富む発言を聞いた記憶が全く無いのは物足りなかった。無い物ねだりだったようだ。

今日の皇居への一般参賀は大変な人数のようだ。やはり新天皇夫妻が の清新さが大きいのだろう。