2014年12月18日木曜日

米国とキューバの和解

オバマ政権がキューバとの国交正常化を目指すという。順調にいけば両国にとって有益である。共和党が和解の邪魔をしないよう願う。

1959年のキューバ革命以前、米国の企業は親米的バティスタ政権を支持していたとされるが、同国
のジャーナリストにはカストロの反乱軍を支援する気運があった。軍人出身のバティスタが独裁者だからという米国人好みの反対理由もあったが、私は原住民と中国人の血をひくバティスタへの米国人のレイシズムの疑いを持っていた( 何しろ白皙長身のカストロとでは違いすぎた! )。しかし、米国人ジャーナリストが勝手に作り上げた独裁者と闘う民主主義者カストロの像は一年ともたず、米系資産の接収を機に米国のマスコミには反米主義者となった。当時は米国の頑なな政策がカストロを共産主義に追いやったとの見方が強かったが、カストロの米国資本主義への敵意はそんな根の浅いものではなかったろう。

1962年のキューバ・ミサイル危機はソ連のミサイルの撤去で終わったが、キューバへのミサイルの持ち込みはソ連が要求したともキューバが望んだとも言われた。真相はともかく、カストロが撤去に反対したことは事実のようだ。毛沢東と同様にカストロが、ソ連共産主義が勝利するなら原水爆戦争も辞さない「革命家」だった可能性は小さくない(その点で革命家ではなかったフルシチョフと違うだろう )。もっとも、それ以前にケネディ大統領はCIAによるカストロ暗殺を許可していたと言われるので、米国の手が汚れていなかった訳でもない。

過去はどうあれ、ソ連共産主義が崩壊した現在、米国が軍事的にはもちろんイデオロギーの上でもキューバを恐れる理由は乏しいし、キューバにも米国を敵視する理由は無くなった。キューバとの和解が、何でも反対の共和党右派に手を焼くオバマ氏の功績の一つとなるよう願う。

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