2014年12月1日月曜日

大川小学校の悲劇

NHKテレビで、生徒の死者74名、教員の死者10名(1名生存 )を出した石巻市の大川小学校の悲劇を特集番組で取り上げていた。避けようがない死なら兎も角、すぐそばに山( 険しいが)があるのに地震後50分間を無為に過ごした末の津波死は、残された家族にとって納得できないのは無理もない( 生徒からも教員からも山への避難を求める声は挙がったという)。遺族と市教委との話し合いは何度かあったが、23名の遺族が納得できないとして訴訟に踏み切ったという。

海により近い石巻市の他の小学校では集団被害は無かったという。悲劇の最大の原因が、海から4キロの地点まで津波が到達するとは予想できなかったことにあることは遺族もよく分かっているだろう。それでも三割強の親が訴訟に訴えたのは市教委も第三者検証委員会もどれほど迫られても教員側の責任を明言しなかったことにあろう。死者の責任を問いたがらない日本人の心性もあろうし、想像だが教員の責任を認めれば教員個人が賠償責任を求められることを危惧したのだろうか。

死亡した生徒の親であり自身現役の教員で、追求相手の市教委には元同僚もいるS氏は、自らの調査の一応の結果として、教員たちが山への避難により生徒たちが怪我したり泥まみれになったりすることを危惧した事なかれ主義があったと判断した (私の想像もそうだった)。何をそんな小さなことでと思うのは結果を知る者の傲慢かもしれない。もし生徒たちの何人かが怪我をしたのに津波が襲来しなかったら教員たちは非難されなかったかどうか。悲劇の下地に責任を追及したがる現代社会の非寛容化と、それに備える事なかれ主義を指摘するのは誤りだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿