2025年4月1日火曜日

東ドイツ滅亡の与える教訓とは.........

 昨夜おそく放映されたNHKの『映像の世紀 東ドイツ監視国家41年の闇』を録画で見た。ナチス・ドイツの消滅後に東西に分割されたドイツの東半分が、ソ連の指導下に社会主義(やがては共産主義)国家をめざしながら過剰な監視組織シュタージ支配の国家と化して国民の支持を失い41年後崩壊した歴史の記録である。新知見は多くなかったとは言え見応えはあった。
 
  同国は当初は社会主義の優位を示す宣伝の一端としてのスポーツ選手などの大活躍で世界の注目を浴びた。しかし、本番組で実例として挙げられた女子フィギュア・スケートのカタリーナ・ヴィット(私には昔の訳語ビットが懐かしい)を例に挙げれば、才能を認められた7歳児の頃から特別の教育を受けるばかりか、ステロイドの服用を強いられ、体は次第に男性化した。要するに国民は社会主義国家の宣伝道具と化したとのこと。
 同国は大戦後に工業設備などをソ連に賠償として持ち去られた不利もあったが、結局のところ西ドイツとの経済競争に敗れた。したがってその後は強権によって国民を支配する他なかった。その失敗にはシュタージの例に見るように徹底性に走るドイツ国民の国民性もあろうが、他の東欧諸国やアジアの中国、北朝鮮、ベトナムらインドシナ3国など全て高い理想を掲げて出発しながら今や党官僚支配の独裁国家となった。ベトナムを例にとれば、大戦後にフランス次いで米国と戦って独立を果たしたベトナムも300万人という大戦中の日本と同程度の死者を出した挙げ句、独裁から脱することができない。我が国で、いや世界でベトナム反戦運動に共感した当時の若者たちは現状をどう見るのだろうか?
 
 

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