2025年4月5日土曜日

 自由主義経済の明と暗

  トランプ米大統領の高関税政策が世界各国を揺さぶっている。すでに我が国の株式相場は激しい下落に見舞われている。経済(学)に疎い私には、この先の世界経済の行方を見通すことは困難だが、日本経済が特殊でないとすれば、各国経済が大変動に見舞われる可能性もあり得るのではないか?

 1929年に始まる世界恐慌の経験が各国の自国本位の閉鎖的経済政策の結果と反省されて以来、戦後世界ではほぼ一貫して各国経済の自由化が正しいとされた。しかし、その結果自由競争に敗れた産業が自国や地域から殆ど消滅する可能性は軽視された。その結果、単一の産業にほとんど依存していた地方のいくつかは経済が衰退した。ゥァンス米副大統領が描いた小説『ヒルビリー エレジー』の世界である。仮に経済の自由化が全体としての国民経済にプラスだとしても。

 われわ日本人は何はともあれ世界経済の一体化に利益を得てきた。しかし、それが米国の鉄鋼業や自動車産業の衰退を伴っていたのはやむを得なかったのか? 少なくともメキシコやカナダに工場をつくってまで利益の最大化を目指したのは賢明だったのか? それが米国の消費者にプラスだったとしても私には行き過ぎだったように思えてならない。私は現代に通用しない経済ロマンチストなのか?

 

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