2022年9月20日火曜日

国葬の諸相

 数日前に私は諸新聞に外国の国葬の紹介が乏しいとの不満を記し、エリザベス女王の死去が報道の現状を変えるかとの期待を述べた。結果として私の期待は満たされなかった。あるいは逆に英国の女王の死に関する大量の報道に私の要望は埋没してしまったのかも。結局、不十分ながらも諸外国の国葬の紹介記事は管見の限りでは『毎日』(9月18日)の、英米仏韓のケースを取り上げた「世界の国葬」という記事だけのようだ。

 その記事では英国は「国に類い稀な功績」との小見出しで、歴代の君主を別とすればニュートン、ネルソン、チャーチル(と第一次大戦時の某看護婦)といった超大物だけとのこと。サッチャーもダメとの厳しさでは安倍元首相は問題外となりそうだ。

 米国は「大統領経験者対象」との小見出しで、「法令無く、慣例として実施される」。 ウォーターゲイト事件のニクソン大統領を例外として歴代の大統領は全員が該当する。

 フランスは、「明確な判断基準なく」との小見出しで、「いずれも大統領が実施を決定する」とのこと。そのせいか、「国葬はごく少数」だったが、マクロン大統領のもとで文化人が増え、数年前のテロ事件で犠牲になった一般市民も対象になったとのこと。なお、同国では国葬ではないが、対独レジスタンスの英雄などの偉人を合葬する「パンテオン」という霊廟があり、国葬に準ずる制度となっている。

 韓国は、「国家葬に一本化」との小見出しで、朴正煕大統領や金大中大統領が国葬になったが、金泳山氏や盧泰愚氏が該当した「国家葬」に現在では一本化されたとのこと。

 結局、国葬は歴史的産物として各国が実施しており、国民的偉人という共通点はあっても選考基準も方法もそれぞれということのようだ。我が国も諸外国の例を参考にしつつも早く法令化すべきだろう。

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