今年は相模原市津久井の障害者収容施設のやまゆり園で施設の植村職員が入所者を襲い、死者19名、負傷者26名の惨事を惹き起こして6年経った。当初は死刑も厭わない態度だった植村死刑囚も現在は死刑判決の再審を求めているという。
障害者は家族や周囲の人に不幸をもたらすだけで生存の価値がないとの植村の思想は、被害者が老婆1人との違いはあるが、ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公のラスコーリニコフの思想に相通ずる。しかし、被害者数の違いもさることながら、障害者は生きる価値がないと決めつけた点が特異である。
施設は建て直され追悼の石碑が建立されたが、死者の名前を明らかにした遺族は6家族だけだったようだ。不幸なことだが、やはり障害者が家族に居ることは知られたくないとの思いは強いようだ。
今朝のテレビで障害者の世話をする職員たちの姿が写されていた。こうした施設の職員の仕事ぶりには頭が下がる。最近、職員が収容者に暴力を振るったとの報道があったが、何度も注意しても無視されたり反抗されたりした場合、職員も思わず逆上することも当然あろう。そうした経験のない私には植村死刑囚に死刑執行は当然だと言い切る気にはなれない。同じ日に死刑執行が報じられた秋葉原の無差別殺人事件の犯人は当然の報いを受けたとしか思わないが.............。