2013年12月13日金曜日

道徳教育に成績評価が必要か

道徳教育の一般教科化が問題となっていると報道されている。他教科と同じ扱いとなれば成績評価も必要となろう。これには疑問が尽きない。
学校での道徳教育の必要は認めたい。原因は単純ではないだろうが、家庭教育の力が落ちていることは事実であろうし、とくに未成年者の場合など罪の重大さを充分認識しないで犯罪を犯すことは充分あり得る。道徳感覚は生まれながらに身に備わっているものでもあるまい。戦前の国語教育の様に他教科でも道徳教育は可能だが、それが別に道徳教育を行うことへの反論になるとも思えない。やはり国語の授業は文章の理解力や美的鑑賞力の涵養などを目指したい。
それはともかく、道徳教育に成績評価がともなう必要はあるだろうか。と言うよりむしろ弊害を生む恐れが強い。評価者である教員に高く評価されたいため優等生的答案を書くケースは激増すると予想されるし、成績向上を目指してのボランティア活動への参加すら予想される。一言で言えば教育に偽善を持ち込む危険が多分にある。他方、評価する側の教員も人間である。悪意など無くとも主観的で偏った評価をする可能性が排除出来ないことは当の教員自身がよく知っていよう。私には道徳教育の成績評価には害こそあれ利点が見つからない。

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